025.極光の彼方
身も凍るような寒さ
防寒具は意味を成さない
分厚い氷は一人歩いてもびくともせず
ただ氷の海だけがある
空へと手を伸ばす
もっともっと高く
オーロラに届かない
この短い両腕が憎い
どれだけジャンプしてもあの空へは行けない
願えども願えども叶わない
星が瞬く 夜空覆う光のカーテン
あの向こうに何があるのか
空へと手を伸ばす
オーロラに触れるほどに
やっぱり届かない
空へと飛べないこの身が憎い
氷は割れることなく続いていく
真冬の北極は死の気候のようだ
寒さに身を震わせながらも今宵も夜空へ身を任せ
あのオーロラの向こう側を目指して
星々は澄み切った夜空に瞬き
空気は冷気を孕んでたゆたう
澄み切った世界の向こう側
想いはずっと遠く届いていくだろうか
2008.11.10
『たゆたう』を漢字変換すると『揺蕩う』になります。読めないかもなので平仮名表記です。