027.月のランプ

 

真っ暗な夜空に灯る光

無数の粒の中に大きな光

かさをかぶったようにぼやけて

大した明るさも持たないで

まるで夜の太陽のように

必死で地上を照らそうとしている

 

手に持つことも出来ないその明かりが

ただ不明瞭な視界を描き

見えもしない世界を映す

 

幻想のように美しく消え

桜のように儚く散る

一瞬だけ異世界がぼんやりと

幻覚のように視界をちらつく

 

光を失った世界と理想

照らすために手に入れた道具

頼りなくとも掲げ続ける

異世界への道を照らして

出口に続く道を進んで

幻想世界へ旅立つ

 

小さなカンテラに閉じ込めてしまったけれど

いつまでも変わらない光が

皆を等しく包む

 

美しい世界を夢見て

汚れた世界を抱き続ける

その世界を手放したときに

初めて幻想と出会うだろう

 

2009.1.16

ファンタジーっぽい詩を!
を求めて書きたいですが、今までの作風が離れなくて苦悶してます。
少しずつ慣らそうか、自分。

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