033.月の雫

 

その三日月の受け皿に涙を溜めて

我慢して ずっと堪えて

それでもいっぱいになった涙は

一滴静かに地上へ堕ちる

 

煌くのは月の光を受けたから

輝くのは神の涙だから?

 

月が落とす雫は恵みをもたらさない

ただ 人の心に感動を与える

月が落とす涙は大自然に何も与えない

ただ 人の感情に何かを訴えかける

 

受け皿から溢れ出た水が陸へ堕ちる

穢れない光が堕落する

汚れきった街を浄化するように

透明な水が黒く染まる

 

月から落ちる雫が街を浄化する

 

穢れない光に籠められた願いは唯一つ

「明日は幸せが降り注ぎますように」

 

 

 

2010.1.24

『Fortune Message』といい、この詩といい、最近の私は『幸せ』を語るのが趣味なのでしょうか。
……にしては語ってるのは最後だけ。あれれ?
負の感情に染まった街が少しだけ浄化するというお話だったのですが。
あれれ? そう見えないのは私だけでしょうか。気のせいですかね。

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